住宅ローンを二重で組む方法|審査条件と注意点を解説

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「いま住宅ローンを返済中だけど、新しい家も住宅ローンで買えるの?」「二重ローンって審査が厳しそうで不安」と感じていませんか。住み替えや2軒目の購入を考えたとき、多くの方がぶつかる疑問です。

結論からお伝えすると、住宅ローンを二重に組む「ダブルローン」は条件を満たせば利用できます。ただし返済比率30%以内などの審査基準があり、誰でも通るわけではありません。

この記事では、ダブルローンの仕組みと二重になるケース、メリット・デメリット、審査条件、組める銀行、住宅ローン控除の扱い、そして審査に不安がある方の対策まで順番に解説します。

住宅ローンを二重に組むダブルローンとは

二重ローンを検討する前に、まずは「ダブルローン」がどのような仕組みなのかを理解しておきましょう。

結論

ダブルローンとは、返済中の住宅ローンを残したまま、新たに別の住宅ローンを借りて2本のローンを同時に返済する状態を指します。住み替えや2軒目購入で利用されますが、毎月の返済負担が重くなる点に注意が必要です。

ダブルローンの基本的な仕組み

ダブルローンとは、現在の自宅と新居という2つの不動産の住宅ローンを、一時的に並行して組むことをいいます。「二重ローン」と呼ばれるのも同じ意味です。新居を買ってから旧居を売る「買い先行」で住み替える際によく利用されます。

2本のローンを同時に返済するため、旧居が売れるまでの間は毎月の負担が大きくなります。広い意味では、住宅ローンと自動車ローンなど複数のローンを返済している状態を指すこともあります。

住宅ローンが二重になる2つのケース

住宅ローンが二重になる場面は、主に次の2つです。どちらも返済中のローンが残った状態で新たな借り入れが発生します。

  • 住み替え:返済中の家から新居へ移る際、旧居のローンを残したまま新居を購入する
  • 2軒目の購入:親族の住む家やセカンドハウスなど、別の住居を新たに購入する

ペアローンとの違い

混同しやすいのがペアローンです。ペアローンは1つの物件に対して夫婦や親子がそれぞれ契約者となり、2本のローンを組む方法を指します。1人で2本のローンを抱えるダブルローンとは仕組みが異なります。物件が1つか2つかが見分けるポイントです。

住み替えで二重ローンになる買い先行とは

住み替えの進め方には「買い先行」と「売り先行」の2パターンがあります。どちらを選ぶかによって、二重ローンになるかどうかが変わります。

ポイント
  • 買い先行=新居を先に買う方式でダブルローンになりやすい
  • 売り先行=旧居を先に売る方式で二重ローンを避けられる
  • 仮住まいを避けたいなら買い先行が向く

買い先行と売り先行の違い

住み替えには「買い先行」と「売り先行」の2つの進め方があります。住宅ローンが二重になるのは、旧居のローンが残ったまま新居を購入する買い先行のケースです。

項目買い先行売り先行
進め方新居を先に購入旧居を先に売却
二重ローン発生しやすい避けやすい
仮住まい不要必要になりやすい
引っ越し回数1回2回になりやすい

売り先行は二重ローンを避けられる一方、新居が決まるまでの仮住まい費用や2度の引っ越しが負担になります。どちらにも一長一短があるため、資金に余裕があるかどうかで選ぶとよいでしょう。

つなぎローンとの違い

売り先行で資金が一時的に不足する場合に使うのが「つなぎローン」です。つなぎローンは旧居の売却代金の前借り的な性質を持ち、売却後に一括返済する短期の借り入れです。中長期にわたるダブルローンとは目的も期間も異なり、金利はつなぎローンの方が高めの傾向があります。

二重ローンを利用するメリット・デメリット

二重ローンには独自のメリットがある一方、見過ごせないデメリットも存在します。利用を判断する前に、両方の側面を確認しておきましょう。

結論

二重ローンは売却を待たずに新居を買える自由度がメリットですが、返済額が増え審査も厳しくなるのが最大のデメリットです。両方を理解したうえで利用を判断しましょう。

二重ローンの3つのメリット

住み替えで二重ローンを使うと、売却と購入のタイミングに縛られない柔軟さが得られます。主なメリットは次の3つです。

  • 売買のタイミングを合わせる必要がない:気に入った物件をすぐ購入できる
  • 仮住まいが不要:旧居に住んだまま新居を購入でき、引っ越しが1回で済む
  • 空き家にして売り出せる:内覧対応がしやすく早期売却につながりやすい

二重ローンの3つのデメリット

一方で、二重ローンには見過ごせないデメリットもあります。利用前に必ず確認しておきましょう。

  • 審査が厳しい:2本分の返済を前提に審査されるため通常より通りにくい
  • 返済額が増える:旧居が売れるまで2本のローンを負担する
  • 原則として旧居を賃貸に出せない:住宅ローンは本人居住が前提のため

とくに旧居がなかなか売れないと二重ローンの期間が長引き、家計を圧迫する点が大きなリスクです。利用するなら売却計画とセットで考えることが欠かせません。

住宅ローンを二重で組む審査条件

二重ローンの審査では、通常の住宅ローンとは異なる基準が設けられています。代表的な3つの条件を確認しておきましょう。

ポイント
  • 返済比率は2本合算で30%以内が目安
  • 完済時年齢が70〜80歳に収まること
  • 旧居の売却代金で残債を完済できる見込みがあること

返済比率は30%以内が目安

二重ローンの審査で最も重視されるのが返済比率です。返済比率とは、年収に占める年間ローン返済額の割合を指します。金融機関によって基準は異なりますが、一般的な目安は30%です。計算式は次のとおりです。

返済比率(%)= 年間ローン返済額 ÷ 年収 × 100

たとえば年間返済額が合計264万円、年収1000万円なら返済比率は26.4%となり、利用できる可能性があります。この返済額には自動車ローンや教育ローンなど、他の借り入れもすべて合算されます

完済時年齢と残債完済の見込み

返済比率に加えて、完済時年齢も審査されます。一般的に完済時年齢70〜80歳が上限とされ、35年返済で組むなら35〜45歳程度が目安です。あわせて、旧居を売却した代金で残債を完済できる見込みも求められます。売却代金で足りない場合は、預貯金などで補える必要があります。

他の借り入れがあると審査に影響する

返済比率はすべての借り入れを合算して計算されます。そのため自動車ローンやカードローン、クレジットカードのキャッシング枠があると借入可能額が圧縮されます。審査前に完済できるものは返済しておくのが有効です。

なぜ審査に通らないのかを整理したい方は、住宅ローン審査で落ちる理由と対策もあわせて確認してください。

二重ローンが組める銀行と控除の扱い

二重ローンを検討する際は、対応している金融機関と、住宅ローン控除の扱いについても押さえておく必要があります。

結論

二重ローンを取り扱う銀行は限られ、事前確認が必要です。また住宅ローン控除はローンが2本でも居住する家1つ分にしか適用されません。控除目当ての二重利用はできない点に注意しましょう。

二重ローンを取り扱う銀行は限られる

二重ローンは返済負担が大きいため、一般の住宅ローンでは取り扱いが難しいことが多いのが実情です。

【フラット35】では、2020年4月1日以降の申込分から審査基準が見直され、売却予定の住宅について、売却予定額で残債を完済できることが確認できれば、その返済額を総返済負担率の計算から除外して審査されます。

銀行によっては、旧居のローンをセカンドハウスローンへ借り換えたうえで新居を住宅ローンで購入できる商品もあります。利用したい銀行が二重ローンに対応しているか、申し込み前に確認しましょう。

住宅ローン控除はローン2本でも1つ分

住宅ローン控除は、実際に居住している家のローンに対して適用される制度です。そのためローンが2本あっても、控除を2本分は受けられません。住み替えで新居に移れば、旧居は控除の適用外となり、新居のみが対象です。

セカンドハウスや親族が住む2軒目の家は、本人が日常的に居住しないため控除の対象外です。控除の前提条件を誤解すると資金計画が狂うため、注意しておきましょう。

残債をまとめる住み替えローンも選択肢

旧居を売っても残債が残り、自己資金でも完済できない場合は「住み替えローン(買い替えローン)」という選択肢があります。売り切れない残債と新居の購入資金をまとめて借りられるため、二重ローンを避けられます。

ただし借入額が大きくなり審査も厳しいため、返していける金額かを慎重に見極めることが大切です。

二重ローンの審査に不安があるときの対処法

二重ローンの審査に不安がある場合でも、事前の準備で通過の可能性を高めることができます。具体的な対処法を見ていきましょう。

ポイント
  • 他の借り入れを減らして返済比率を下げる
  • 旧居の査定を早めに取り、売却計画を立てる
  • 審査に不安があれば専門の相談窓口を活用する

返済負担を下げて審査に備える

二重ローンの審査に不安があるなら、まず返済比率を下げる工夫が有効です。自動車ローンやカードローンを完済し、使っていないキャッシング枠は解約しておくと、借入可能額に余裕が生まれます。あわせて旧居の査定を早めに取り、現実的な売却額を把握しておきましょう。

専門の相談窓口を活用する

二重ローンは審査が厳しく、金融機関ごとに基準も異なります。自分だけで判断が難しいときは、住宅ローンの相談窓口を目的に応じて使い分けるのがおすすめです。借入額を知りたいなら銀行、家計全体を見たいならFPが向いています。

窓口ごとの特徴は住宅ローンの相談はどこにする?で詳しく解説しています。審査に通るか不安が大きい場合は、審査通過に強い専門窓口に相談すると状況が整理しやすくなります。

住宅ローンの二重に関するよくある質問

住宅ローンを二重で組むことに関して、よく寄せられる疑問をQ&A形式でまとめました。検討する際の参考にしてください。

Q

住宅ローンを二重で組んでいることはバレますか?

A

住宅ローンの審査では信用情報が照会されるため、他の借り入れや返済中のローンは金融機関に把握されます。返済中のローンを隠したまま借りることはできず、後から発覚すれば一括返済を求められる可能性もあります。正直に申告したうえで審査を受けることが前提です。

Q

年収はどのくらいあれば二重ローンを組めますか?

A

明確な年収の下限はなく、2本分の返済額を合算した返済比率が30%以内に収まるかどうかで判断されます。借入額が大きいほど高い年収が必要になり、潤沢な自己資金があるかも重要です。まずは希望する借入額で返済比率を試算してみることをおすすめします。

Q

二重ローン中に旧居を賃貸に出せますか?

A

住宅ローンは本人が居住することを前提とした融資のため、原則として旧居を賃貸に出すことはできません。ただし転勤や介護といったやむを得ない事情がある場合は、金融機関に相談することで許可を得られる可能性があります。事前に相談しておくと安心です。

Q

二重ローンと住み替えローンはどちらがよいですか?

A

旧居の売却代金で残債を完済できるなら二重ローン、完済できず自己資金も不足するなら残債をまとめられる住み替えローンが選択肢になります。どちらも返済負担は増えるため、返していける金額かどうかを基準に、資金計画を立てて判断するとよいでしょう。

住宅ローンを二重で組む際のまとめ


住宅ローンを二重で組むダブルローンは、旧居の売却を待たずに新居を購入できる柔軟さが魅力です。一方で返済額が増え、審査も通常より厳しくなるため、利用するなら無理のない資金計画とセットで考える必要があります。

この記事のまとめ
  • 二重ローン(ダブルローン)は条件を満たせば住み替えや2軒目購入で利用できる
  • 審査では2本合算の返済比率30%以内、完済時年齢70〜80歳が目安
  • 住宅ローン控除は居住する家1つ分のみで、2本分は受けられない
  • 他の借り入れを減らし、旧居の売却計画を立てておくことが対策になる

とくに二重ローンは取り扱う金融機関が限られ、返済比率や完済時年齢の基準も各行で異なります。「自分の年収や残債で本当に通るのか」が不安な場合は、早めに専門の相談窓口に状況を整理してもらうのが安心です。返済中の借り入れを見直しながら、自分に合った進め方を見極めていきましょう。

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